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汎用遠隔操縦装置

XAURS-EQ

 

低コスト、高い汎用性で無人化施工を実現

自然災害の多発化・甚大化に加え、建設機械の技能者不足を背景に、無人化施工のニーズが急速に高まっています。一方、無人化専用重機は高価で台数に限りがあるため、有事の際の迅速な対応に課題があります。そこで、汎用建機に着脱できる簡易な遠隔操縦装置を開発しました。これにより無人化施工システムの低コスト化を実現します。

●建設機械を改造することなく、操作レバーなどに「後付け」で装着
●装置を装着したままで、オペレーターが搭乗し直接操作可能

※本技術は(株)大林組との共同開発品です

 バックホウなどの建設機械を
 無人で運転する汎用遠隔操縦装置


技術概要

迅速な対応が求められる災害復旧の初動段階においては、二次災害の発生リスクが高いため、建機の遠隔操縦による「無人化施工」が有効な手段となります。

しかし、遠隔操縦方式の建設機械は流通量が少なく、コスト面からその調達が課題となっていました。

「サロゲート」は、各種建機に現場で容易に着脱できる汎用遠隔操縦装置です。

建機本体に後付け装着できるため、コストも抑えられます。

災害復旧工事に加え、有人では比較的危険を伴う一般工事にも適用できます。

 
 

1.建機を改造することなく着脱が可能
●建機本体を改造する必要はありません。
●建機運転席の操作レバー等へ「後付け」で装着することで、
遠隔操縦を可能にします。
●運転席シート部に固定金具を用いて装置を取付けるため、
金具を変更することで、機種の汎用性が広がります。


2.短時間で着脱が可能

●電気モーターを使用した軽量かつシンプルな構造です。
●持ち運びや取付が容易なサイズにユニット分割されています。
●取付には、特殊な工具や技能は不要で、短時間で着脱できます。
 

3.遠隔操作と有人操作の切替えが容易
● 装置を装着したままオペレーターが乗り込んで、直接操作(有人操作)が可能です。
●遠隔操作と有人操作の切替は、装置内のピンの着脱のみで、3分程度で完了します。
●あらかじめ装置を装着した状態で現場へ搬送できるため、素早く工事を開始できます。

施工実績

熊本城復旧工事

グラップル装着バックホウへの搭載
両機遠隔操作での 文化財復旧工事
搭載機 ZAXIS135US ASG130R

久斗トンネル工事

ハイブリッドバックホウへの搭載
遠隔操作での 急斜面ズリ出し工事
搭載機 HB205/PC200

第二阪和国道工事

MCバックホウへの搭載
遠隔MC操作での のり面整形工事
搭載機 ZAXIS200

諸元・その他

=受賞歴=
日本建設機械施工大賞 選考委員会賞

土木学会賞 技術開発賞
 
=ニュースリリース=
2016/10/05 バックホウなどの建設機械を無人で運転する汎用遠隔操縦装置「サロゲート」の開発を情報公開
2017/03/15 MCバックホウに遠隔操縦装置搭載/簡単に有人・無人操作切り替え (日刊建設工業新聞)
2017/05/29 熊本城 飯田丸五階櫓 崩落石垣撤去 無人化施工工事 を報道公開
2017/07/26 NHK 探検バクモン [熊本城 第2弾] 放送

=技術紹介論文=
日経コンストラクション 2017年7月24日号
ズームアップ:石垣撤去に文化財初の無人化施工

建設機械施工 Vol.68 No.11 November 2016 土工 特集
土工用建設ロボットの開発における新たな挑戦 -無人化施工機械から地盤探査ロボット開発の概要紹介- 
古屋 弘・森 直樹・小林和彦
 
建設機械施工 Vol.70 No.1 Janyuary 2017 建設機械
新工法紹介 汎用遠隔操縦装置 サロゲート
 
建設機械施工 Vol.69 No.12 December 2017 先進建設技術
建設機械の改造が不要で着脱可能な装置による無人化施工技術の開発 
熊本城崩落石撤去へ汎用遠隔操縦装置「サロゲート」の適用事例
森 直樹・古屋 弘・宮内賢治
 
月刊 建設機械 2018年4月号
建設機械の改造が不要で着脱可能な装置による無人化施工技術
=熊本城崩落石撤去へ汎用遠隔操縦装置「サロゲート」の適用事例=
森 直樹・古屋 弘
 
=講演=
2017年12月10日 大阪歴史博物館
FCCフォーラム あしたの城 ~城・石垣をつくる人・守る技術/大阪城・熊本城~
「熊本城石垣復旧を支える最新建設技術」
森 直樹
 
=その他=
2018年 2月
総務省5G実証実験
「次世代移動通信システム『5G』、4K3Dモニターを活用した建設機械による遠隔施工」
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20180215_1.html
https://jpn.nec.com/press/201802/20180215_01.html
 
2018年 12月
総務省5G実証実験
「次世代移動通信システム『5G』を活用し、2台の建設機械を遠隔操作により連携させる作業」
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20181214_1.html
https://jpn.nec.com/press/201812/20181214_02.html
 
2019年 7月
バックホウ自律運転システムを開発
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20190718_1.html
https://jpn.nec.com/press/201907/20190719_01.html
 
2020年 2月
総務省5G実証実験
「第5世代移動通信システム『5G』を活用し、3台の建設機械の遠隔操作と自動運転システムを搭載した振動ローラの
同時連携に加え、工事に必要な施工管理データのリアルタイム伝送・解析による一般的な道路造成工事の施工」
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20200214_1.html
https://jpn.nec.com/press/202002/20200214_01.html 
 

 諸元=

システム
構成 分割ユニット構造
①操作レバー用アクチュエータユニット
②走行レバー用アクチュエータユニット ③タッチパネルユニット
④制御盤 ⑤電源ボックス・状態表示回転灯
⑥ハーネス類 ⑦非常停止ボタン ⑧通信ユニット ⑨付属備品類
動力源 DC24V 15A (建機バッテリー)
装着方法 建機を改造せず、汎用工具のみでキャビン内各操作レバーに後付け可能
遠隔⇔搭乗の操縦モードの切替はピン接合の取替作業 
取付調整員 1~2名 
取付時間 取付け工事:約2~3時間
搭乗モード切替:2~3分 
装着状態での搭乗運転 可能 
機能 走行レバー・操作レバー・エンジン始動停止・安全ロックレバー
エンジン回転数・ホーン・操作モード・非常停止など 
安全装置 作動状態表示機能(制御ボックス/機外回転表示灯)
警告ホーン、建機エンジンの緊急停止装置
送信機傾斜角レベル警告装置、異常信号入力確認
無線通信障害時の建機自動停止装置
無線式非常停止機能 
緊急停止ボタン 操作用無線機送信機×1
緊急停止用無線送信機×1(独立周波数無線機)
建機内緊急停止ボタン×1 
遠隔操作方法 標準:リモコン
オプション:遠隔監視モニタ付きリモートコクピット 
通信 操縦用:特定小電力無線 429MHz帯 MCA ダイバシティ
緊急停止用:特定小電力無線 2.4GHz帯 ダイバシティ
通信距離 通信仕様により異なる
標準仕様(特定小電力無線):見通し200mだが使用する通信環境による影響大
オプション仕様:通信規格により多様 

運搬方法

陸・海・空輸可能 分割して乗用車で運搬可能
総重量80Kg程度 複数名でハンドキャリー可能 
運搬個数 収納ボックス2個・制御ボックス1台・電源ボックス1個 計4個 
搭載対象

コマツ PC120~300(モデル確認必要)
油圧ショベル PCシリーズ 機械質量20tクラス
オフロード法2006年基準適合車以降 
 
日立建機 ZX120~330(3型 / 5型)
油圧ショベル ZXシリーズ 機械質量0.8t~30tクラス
オフロード法2006年基準適合車以降
 
住友建機 SH120~330
油圧ショベル Hシリーズ 運転質量 12t~70tクラス
オフロード法2014年基準適合車
 
その他メーカや他機種については、お問合せ下さい。
※順次対応機種拡充中 

アクチュエーションユニット
既存操作入力装置に直接後付けするアクチュエーションユニット
高性能位置決めモータを用いたダイレクトドライブ方式の構成であるため、堅牢・高速・高性能な操作入力が可能です
寸法 操作レバー:W223mm×D267mm×H116mm (レバー除く)
      質量 約6.5Kg (左右1台当たり)
走行レバー:W176mm×D231mm×H100mm
      質量 約5.0Kg (左右1台当たり) 
アクチュエータ方式 操作レバー:位置決め機能付き高性能電動モータ2台×左右2組 前後左右2自由度
走行レバー:位置決め機能付き高性能電動モータ1台×左右2組 前後1自由度 
位置決め精度 ±1mm 
位置決め所要時間 100 msec 
タッチパネル
サロゲート操作モードの制御、エラーメッセージの確認、電源ボタン、非常停止ボタンなどを搭載したサロゲート操作のインターフェイス。
寸法 W250mm×D76mm×200mm
制御ボックス
建機毎に実装用ブラケットを準備し、キャビン内シート背面に配置致します。
寸法 W500mm×D200mm×H400mm
質量:約30Kg
電源ボックス・状態表示灯
建機バッテリーを主電源とした後付け電源装置
緊急時のエンジン停止後も電源確保をする為のUPSを搭載
寸法 W400mm×D300mm×H383mm
質量:約17Kg (回転灯含む)
リモートコントローラ
特定小電力無線機のリモコン
有視界遠隔操縦向け
送信機 標準仕様:特定小電力無線430Mhz
オプション:Wifi 1.2GHz/2.4GHz・Bluetooth・ 5G・LAN(有線)等
無線への対応は通信業者と要相談
リモートコクピット(オプション)

 Wifi・LTE・5GなどIP通信を基盤とした通信ユニットで、建機操縦空間を遠隔監視する多数の遠隔モニタと、操作用ジョイスティックをシートと一体化した移動式ユニット

コクピットの基本構成

前方監視モニタ:43インチ 3枚 または 49インチ湾曲ディスプレイ1枚
機体俯瞰モニタ:27インチ1枚・制御用モニタ:25インチ 1枚
ジョイスティックコントローラ2台・コックピットシート
グラフィックボード搭載モニタ用PC・制御用PC 

建機への取付カメラ 1個~4個

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