削孔内泥水密度分布の計測 浮遊スライム密度を計測し、沈殿試験の精度を向上します。 |
● 従来手法 |
スライムバケツを用いるスライム処理では、浮遊スライムが十分沈殿したことを確認し、バケツを回収することが、施工上の重要な管理項目です。 現状の沈殿確認手法は、バケツに堆積したスライム量を経時的に重錘検尺(定性的計測)で確認するものです。 |
● 提案目的 | Slime-Monitorでは、沈殿状況を定量的に観察し、沈殿時間を合理的な判断指標のもと設定することで、スライム処理精度の向上と施工の合理化を行います。 |
● 提案手法 | Slime-Monitorの『沈殿確認手法』は、試験杭施工時の沈殿確認試験として、孔内水に浮遊するスライムの空間密度分布を計測し、これの経時変化を観察し、今後沈殿する恐れがある浮遊スライムを定量的に確認することで、沈殿時間を合理的に予測設定します。 |
技術提案 |
≪特徴≫ |
密度分布の計測には、コリオリ式質量流量計を用いたスライムモニタを利用します。 計測はスライムモニタをケーシング上部に設置し、掘削後から10分毎のスライム密度を孔内深度0.5m毎に計測し、孔内スライム密度分布を観察します。 |
≪効果≫ |
沈殿完了の判断は、孔内上層部のスライムが混在しない孔内水密度と、孔底付近のスライムが浮遊する泥水密度値を比較し沈降の進捗を判断します。 経時的な密度分布を観察することで、スライムの沈殿状況を定量的に判断でき、コンクリート打設時間までのスライム堆積量をおおよそ予測することができるため、スライムバケツ回収のタイミングを合理的に判断できます。 これにより、スライム巻込みによる杭頭品質の劣化も改善できます。 |
● 定量的表現 | 泥水密度値は、現場条件により異なるため、工事関係各位で協議のうえ管理値を検討します。 参考として、日本基礎建設協会で用いられる安定液密度管理値1.02~1.08 g/mlや砂分率5%などの指標を参考値として考えます。 |
● その他 | スライムモニタでは孔内流水量が計測できる為、ボイリング状況も観察できます。 従って、ボイリングが発生していないことの確認や、ボイリング発生時には、計測結果を参考に必要な水頭高さを検討できます。 沈殿時間が長い場合はスライムポンプを用いた揚泥処理や水頭高さの再検討を推奨致します。 |